「クニノシャッキン」は必要な借金だった

参院選の選挙戦が始まりました。

その中で、れいわ新選組の公認候補となった大西つねき氏の街頭演説の内容が非常に興味深い内容でしたので、紹介します。


この動画の31:30あたりからの内容です。

書き起こしテキストとグラフは、Hikaruの井戸端放送局様より引用します。

これね、1980年から2018年までのデータなんですね。
これ、青い線なにかっていうと、これね、日本中のお金いくらあるのっていう、そういうデータなんですよ。
日本中のお金が一番左の1980年の時は、200兆円だったのが今1000兆円越えてるんですよ。
1980年からこの38年間でお金5倍に増えているんです。
ちなみに僕が、1986年に就職した年に初任給20万円だったんです。
うちの息子が去年2017年初任給20万だったんです。
全く同じだったのね。

でね、お金どんだけ増えたかっていうと、1986年の時に大体ね、340兆円くらいだったんです。
日本中のお金、全部合わせて340兆円だったのね。
それが、2017年には、940兆円。
お金3倍に増えているんですよ。
600兆円以上のお金が増えたにも関わらず、大学生の初任給は全く変わっていないんですよ。
そうなんです。
払うのやめちゃったから。
払うのやめて、600兆円どこに行ったのかというと、結局企業の内部留保が400兆円。
内部留保ってどうやって貯まるかっていうと、企業が皆さんの給料払わずに、安い労働者を使うと貯まる仕組みになっています。
そうやって、やってきている。

お金だけ増えている。
で、お金をどうやって作っているかっていう詳しい話、説明しますとね、今のお金、実は、日銀が発行してるのではなくて、借金で作っているんですよ。
要するに、銀行がお金を貸す度にお金が生まれるという仕組みで作っていて、結局それに、利息がつくんで、お金と借金がずっと増え続ける。
そういう仕組みにしないと回らない仕組みだけど、お金と借金増やし続けられる、そんなはずないですよね。
1億3000万人しかいないのに、銀行がお金と借金を増やし続けるって、誰がそんなに借りてくれるんだっていう話です。
で、このグラフ見ると一目瞭然なんですよ。

https://stat.ameba.jp/user_images/20190703/11/miraihamassugumiteruyo/38/c5/p/o1114081414490135867.png

(青:マネーストック、赤:国債残高、緑:国内銀行の貸出残高、黄:GDP

この緑の線が日本円の残高です。
本来は、この緑の線が青い線作って来たんですよ。
だけど、バブルが崩壊してから、結局銀行が貸さなくなって、貸せなくなって、不良債権処理して、貸し渋りして、貸し剥がしをして、借金減らしてるんですよ。
でもお金は減っていないですよね。
これ黄色い線っていうのはGDP、増えなくなったから、そうなってるんですけど。

じゃあ、誰が借金をしてお金を作り続けて来たかというとその答えが赤い線なんです。
これ、日本の政府の国債の残高なんですよ。
つまり、ここを見ると一目瞭然なんです。
日本の政府の借金のお金が、このお金を作ってきたんです。
これどうやってやっているかっていうと、例えばね、政府の借金がお金を作るって何なの?
それは例えば、僕が政府だとしますよね、あんまりなりたくないけど。
でね、日本の一般会計の税収って、だいたい年間50兆円なんですよ。
50兆円皆さんから集めます。
皆さんの現金預貯金が50兆円減るっていうことです。
最初ね。
そのあと、もし政府が50兆円分の予算を組んだとする。
そうすると、政府の使ったものっていうのは政府の公務員の給料とかね。
そういう風に、政府事業の支出とか、民間に行くんです。
皆さんに、戻ってくる。
だから、50兆円の税収で50兆円の予算を組むと50兆円分行って来いですね。
もしこれで、70兆円の予算を組むと何が起きるかというと
20兆円足りませんね。
で、20兆円どうするかっていうと、20兆円分政府が国債を発行するんです。
で、それを銀行に買わせます。
銀行は20兆円分の国債を買ってくれますよね。
だから、20兆円分政府が貰らえるんだけど。
じゃあ、その20兆円分どこから来てるかっていうと皆さんの預金ですよね。
だけど、政府の国債を20兆円分買うから、皆さんの自分の預金1円も減らないですよね。
なんで減らないか?
なんでかっていったら、銀行はその分(お金を)作って政府に渡しているから。
その20兆円と50兆円を会わせて70兆円使うと、何が起きるかというと、皆さんの預金が差し引き20兆円分増えるんですよ。
で、政府の借金も20兆円分増える。
まず、政府の借金と皆さんの預金とは平行して伸びているんです。
で、今や政府の借金が900兆円なのに対して、皆さんの現金預貯金1000兆円。
つまり900兆円の政府の借金を、皆さんの1000兆円の預金から返してしまうと、何が起きるかというと、お金消えちゃうんです。
お金無くなっちゃうんですよ。
900兆円の借金を返すために、皆さんから集めなきゃいけない税金900兆円ですよね?
それ、つまり、政府の借金を税金で返すっていうのは嘘なんです。
でっかい嘘なんです。
そんな事したらお金がなくなっちゃうから。
だから、消費税が、政府の借金がたいへんだから税金を上げなきゃいけない、消費税を上げないけない、それから要するに、財源が無い。
全部嘘っぱちなんですよ。

(後略)

大西氏は後略部分でMMT(現代貨幣理論)にも言及していますが、当然MMTを理解されているでしょうし、お金に対する認識も正しいです。

それはさておき、私が強調したいのは、上記のグラフです。

まず大西氏が指摘している通り、1990年あたりまでは、マネーストック(青線)と民間銀行の貸付残高(緑線)が近いですが、それ以降は離れている点。
これは、1990年あたりまでは、民間銀行の貸付が「お金」の元となっていたということです。それ以降は、民間銀行の貸付が伸びず、代わりに国債残高(赤線)が増えている。
これは日本経済に必要な「お金」の供給元が、民間銀行の貸付から国債発行にシフトしたという意味です。
民間銀行の貸付が伸びなかった点について、大西氏は、民間銀行がバブル崩壊後の不良債権処理のために借金を減らしたせいと述べていますが、その後もずっと民間銀行の貸付が伸びていないのは、デフレによる需要減の影響が大きいと思われます。

ここで重要なのは、国民経済のためには、常に誰かの借金が必要であるという点です。

日本では、かつては民間銀行が借金をして「お金」を作っていたのが、民間銀行がお金を貸さなく(貸せなく)なったため、1990年以降は、政府が国債発行によって、その肩代わりをしていたということです。

国債残高が増えたのは、無駄遣いではなく、国民経済のために必要な借金を、民間銀行の代わりに政府がしたというだけの話です。

また逆に言えば、民間銀行の貸出が増えれば、政府の借金=国債残高の増加を抑えられる可能性があるということです。
民間銀行の貸出を増やすためには、民間の需要が増えることが必要です。
しかし、デフレ下においては民間企業や個人が投資を控えるのは当然の防衛策ですので、企業や家計が投資をすることが難しいのであれば、政府が投資をして需要を喚起するしかありません。
たとえ国債を発行してでも、政府による公共投資等により民間の需要を増やすことができれば、かえって国債残高の増加を抑えられる可能性すらあるのです。